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注目!のwebマスター2005年11月 7日 “県の特産品販売”の方向性は - 【阿波のうまいやっちゃ】谷内克行様
趣味で始めたインターネットから今回ご紹介するのは、徳島県勝浦町を拠点に 「すだち」 や 「みかん」「鳴門金時」などの徳島県の特産品の販売を行っている 【阿波のうまいやっちゃ】 のWebマスター谷内克行様だ。同店のような “特定の県の特産品を集めて販売する” という切り口は非常に分かりやすく、取り扱い商品を増やすことで繁忙期を分散できるというメリットもある。その一方で、一商品の単独サイトなどに比べて検索エンジン対策の難しさもあるだろう。県の特産品を販売していく際の難しさなどについてお話を伺った。 同サイトの運営は 「谷内青果株式会社」 が行っている。同社は、「長年、徳島県勝浦町のみかん産地での産地仲買問屋を営み、現在も柑橘類の四国・京阪神市場への出荷や、農業法人組織での椎茸栽培を経営・管理しています。」 という、どこの地方でもごく普通に営業していそうな農業関連の企業である。そんな地方の一企業がインターネットでの農産物の販売に取り組むきっかけとなったのは、同氏が趣味でインターネットを始めたことだった。 「徳島の山間部でのありきたりな生活の中、1996年に趣味でインターネットと出会いました。24時間四六時中、外(世界)に向かっての情報提供や収集ができる環境に、感動と衝撃を覚えました。」 早速、“情報を発信する側” の立場となってみる決意をして、1年後には 「みかんの里としいたけ村」 という個人運営の地域情報サイトを開設、みかん産地の今や椎茸栽培などの情報を掲載し始めた。 もちろんそれほど大きなアクセスがある訳ではなかったが、「そのホームページを見た数少ない方々のメールの中から 『そのみかんと椎茸を売ってください』 とのメールが時折届きました。『これで商売ができるのか?』 と自問自答して、商用サイトへ進むという方向性が、疑心暗鬼の中でですが生まれてきました。」 日本の農業に従事している方たちにとって、後継者不足や生産量の減少、輸入品や輸入加工品との価格競争など、先の見通しが立たないような暗いニュースばかりが続いていた。そんな状況で、ネット通販という可能性を見出したのは、ある意味では自然な流れだったのかもしれない。「ネット界でも老舗になる!」 という信念のもとに作業に没頭し、1999年7月には独自ドメインを取得、サイト名も現在のものに変更し、趣味のサイトを実益型に変えていくこととなった。 特産品販売サイトの難しさ県の特産品を集めて販売するサイトは、全国各地に存在している。切り口は様々であるが、その土地の食べ物をメインとしたものが多く、そこに工芸・民芸品までを集めたりといった展開が考えられるだろう。しかし、各県や各地方といった土地の制約がある以上、最初から販売しやすい県とそうでない県の格差は歴然しているように思える。例えば、日本人が持つイメージとして 「北海道」 の物産であれば “他の土地のものよりも美味しそう”、そんな優位性があるのは間違いない。しかし、こうした特徴を思いつくことが出来ない都道府県の方が多いのではないだろうか。 しかし、他県の人間から見ると少々意外な感のある商品でも、その土地に関わりをもったことのある方にとっては “懐かしい味”、“もう一度食べたい味” として記憶されているものも多いものなのだ。 「徳島県の商材で、地域販売商品として知名度の高いものには 『すだち』『すだち酢』『鳴門金時さつまいも』『鳴門ワカメ』『祖谷そば』『たらいうどん』『フォロドレッシング』『金ちゃんヌードル』『半田手延べそうめん』 など、地名入り特産品も多く、その点はSEO対策も非常にやりやすいのです。」 決して万人向けではあり得ないのだが、特定の人を強く惹きつける商品構成だといえるだろう。 その土地ならではの商材を探し出すために、同店ではユーザーからの要望を投稿できるページが用意しており、ここに寄せられた情報が品揃えの拡充に大いに役立っているそうだ。「徳島発の売れ筋商材を見つけること自体が楽しいものです。『こんなもの世間は知らないなぁ〜』 とか 『この味は売れる!』 など、商品アップまでの苦しさ辛さや批評の先に、嬉しさや楽しさが満喫できます。」 お客様からの協力に感謝しながら、まだ知名度の低い地元の商材を、全国へ向けてアピールし続けていくそうだ。 主力商品の“ファンクラブ的”展開も予定![]() 前身の地域情報サイトの時代から、徳島にゆかりのある方々の要望を取り入れて発展してきたのだが、現在ではその姿勢を崩さずに新規顧客の開拓を行うことが課題となっている。このため、サイト内で徳島県や土地の特産品を題材としたクイズを出題したり、懸賞企画の当選者の方が、希望の景品を特産品各種の中から選べるようにするなどして、サイト内の回遊性を高め、商品認知度を増すような仕掛けもしているそうだ。 同店は、本店以外に楽天市場店とYahoo! 店も運営しているが、運営期間の違いもあり、その売上げ比率はまだまだ小さい。しかし、大手のモールへの出店によってSEO的な効果は得られており、「楽天市場店は、ポイント稼ぎやポイント購入、そして共同購入の顧客が多く、出店料含めた経費類が多いです。同じくヤフー店もSEO対策の一環としての出店と思っています。」 と割り切っているそうだ。またポイントシステムの NetMile へも参加しているが、こちらも売上げへの貢献というよりもアクセス数の増加に寄与している段階だという。 しかし、同店のように地域の特性が強いサイトの場合、集客方法にしてもある程度の制約があるのだという。他店との共同懸賞企画などにも参加しているのだが、「“告知的(サイト宣伝)” に考えればよいのですが、アドレス集めを目的とした集客は、徳島特産品サイトという当店の位置付けではあまり効果的でないと思っています。」 そんな感想を持っているという。今後は 「まだ徳島から世に出ていないマイナーな商材や、知名度の高い特産品の旬を知らせるべく、雑誌社などのマスコミに向けたプレスリリースがますます重要になってくると思います。」 こうしたプロモーションの積み重ねによって、同店の売上げは 「最低月200万、最高月700万」、注文件数では 「月250件〜500件」 となっている。やはり青果の販売が中心となるため、季節ごとの売上げの差が激しくなってしまうのだが、新たに旬をずらした季節商品などの取り扱いを始めることで、年々その差を縮めてきているのだそうだ。さらに、「年間の “旬の青果物” だけではやはり極端に偏りますので、加工品などで差を少なくしています。」 こうして極端な閑散期がやってくることを防いでいる。これは販売アイテムを増やしていることのメリットだと言えるだろう。 しかしその一方で、販売している主力アイテムだけを別に切り離して、単独サイトとして運営するという手法もあり得るはずだ。過去にWebショップの利点として語られていた“各種商品がワンストップで揃う”という特徴も、今となっては検索エンジン対策の足かせとなりかねない。例えば、徳島県の特産品として有名な 「すだち」 などは、徳島の特産品販売サイトの1コーナーであるよりも、独立した専門サイトという形で運営した方がメリットが大きいということも考えられるだろう。 当然、こうした傾向には強い危機感を覚えており、これまでのサイト展開に加えて、特定商品を単独サイトとして運営していくことも検討している。「ある商品のファンクラブ的な専門サイトを考えています。やはり徳島への郷土愛や懐かしさ、そしておいしさの価値感を共有できる顧客の集客が狙いです。」 また、こうしたサイトの方向性に関しては、「 [mixi]コミュニティなどの地域的な話題や議論にも参加し、新商品や発掘商品の話題を投げかけ意見を聞いたりするなど、積極的に活用したいと思っています。」 自サイト内に留まらず、幅広く外部の意見を取り込んでいくそうだ。 売上げよりも“楽しくなければ”を優先で![]() こうした動きを続けていくのも、現在のショップを取り巻く環境に強い危機感を覚えているためだという。「ここ 1〜2年から現在まで、ショップサイトの総数が膨れあがっている中で、特産品ショップとしての 『楽天的(共同購入・薄利多売型)』 な売り方か 『こだわりの専門店的』 な売り方かの、生き残り戦略の選択が必要になるでしょう。」 決して今のやり方に満足している訳ではないのだ。 今後の展開について伺ったところ、あくまでも地元にこだわり、徳島県の特産品の良さをより幅広くアピールしていく一方で、「全国のお得意様との徳島での交流会(阿波踊りオフとか)」 「頒布会開催」 といったイベントなども企画していきたいという。また、「最近、サイトを見て県内外からの実店舗への来店が増えてきています。また同じく電話・ファックスでの問い合わせや注文も急増しています。実店舗のある山間部から、徳島市内への出店も考えなければいけない時期が間もなくやってくると思います。」 そんな展開まで視野に入れているそうだ。 また、「今後ますます変化するハード面を含めたe-ビジネス環境に絶えず沿えるような、柔軟さが必要です。新しい技術や対策への取り組みが一番の課題だと思います。」 そんな危惧も常にあるという。初めてインターネットに触れてからほぼ10年のキャリアがあり、一部ではブログなどの新しい技術も活用している同氏であっても、やはりその先のことを考えると不安は大きいのだという。「開設当初からひとりで制作企画してきましたが、歳も歳ですので(55歳)、現在のそして今後のセンスや最新技術についていけるかが心配です。後継者を早く育てたいと考えています。」 しかし、今でも関連するサイトの製作や更新・運営など、全てを自らの手で行っていることもあって、Webマスターの趣味的なものが感じられ、楽しい雰囲気が伝わってくることが同店の魅力でもある。「制作会社に任すような経費がいらない分、『即!売上を!』 というような焦りもなく、じっくりとこだわった上質の商品を提供できるのことを一番に、プロ意識で安心と信用、そして感動をお客様に与えることを忘れずに今後も運営していきます。」 そして、「ネット界で“阿波親父”と呼ばれる最近ですが (^。^ゞ、息子や娘みたいな若い方との交流で、ますます話しが共有できる威勢のよい年寄りを当分続けたいと思っています。」 と、Webマスターが活き活きと楽しんでいる姿が目に浮かぶサイトなのだ。この先もずっとマイペースで進み続けていくことだろう。 最近のエントリー
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