EC事業者の交流によるEコマース業界全体の発展を目指す NPO法人 全国イーコマース協議会(EC協議会)

 ログインID  パスワードを保存 
 パスワード  ヘルプ

当会は全国のEコマース事業者が加盟する日本最大規模のネットショップ相互扶助団体です。

全国イーコマース協議会はTRUSTeプライバシー・プログラムのライセンシーです。

卸情報仲介サイト「卸問屋ジャパン」

日本全国の懸賞/プレゼント情報が満載!懸賞ジャパン

チーム・マイナス6%

エコショップ宣言

 

「ウィキペディアにも協議会WEBページに記載してある内容を掲載済み」

注目!のwebマスター

2006年 4月24日

無理のない“自然体”を保って - 【ぶどうの木】高橋和子様

“有機野菜”との出会い

【ぶどうの木】高橋和子様

 今回ご紹介するのは、有機野菜・無農薬野菜の販売を行なう 【ぶどうの木】 のWebマスター高橋和子様だ。“食の安全” への関心が高まっている現在であるが、同店では農薬の危険性だけを声高に叫ぶのではなく、有機野菜の持つ美味しさを伝えることで、より幅広いユーザーへ有機野菜を身近に感じさせることに成功している。いわゆる 「健康オタク」 のものと思われがちな有機野菜を、自然な角度から紹介していくスタンスは、非常に分かりやすいアプローチだと言えるだろう。

【ぶどうの木】トップページ

 Webマスターの高橋様は、岐阜県の兼業農家に生まれた。実家は有機栽培などとは全く無縁で、作物を大きく育てるために化学肥料を与え、雑草を根絶やしにするために農薬を撒く、そんな普通の農業を営んでいた。そんな環境で育っているうちに農業に興味を持つようになり、「もっといい肥料、もっといい農薬ができる勉強がしたくて農学部に入りました。専攻は農芸化学。土壌肥料学や農薬化学を学びました。」 こうして農業の専門家の道を進み始める。

 しかし後に、農薬や化学肥料を使わない “有機野菜” を扱っていた高橋好文氏と出会い結婚したことで転機を迎える。有機野菜を作る農家の方たちの作業を間近で見て、自分が学んでいた農業との違いに驚いたのだ。わざわざつらい除草作業を行い、効果が見えにくい有機肥料を撒く姿を見て、その農法に興味を覚える。「なぜ有機農業なのか、農薬や化学肥料はそんなに悪いものなのか、と調べるうちに、今まで知らなかった農薬や化学肥料のデメリットを知りました。」 これまで自分が学んできた常識が一転するほどの体験だった。

 また、3人の子供を持つ母親にもなり、食に関して以前より敏感になっていった。ファーストフードが続くと子供たちの調子が悪くなる、スーパーで買ってきた野菜よりも有機栽培の野菜の方を子供たちが好んで食べるなど、有機野菜の良さをより身近に感じるようになった。「本当においしい野菜を食べてほしい、農家の方が苦労して農薬や化学肥料を使わずに作ったおいしい野菜をお届けしたい。こんな気持ちからインターネットで販売を考えるようになりました。」 このような経緯から、2000年7月にWebショップをオープンすることとなった。

 商品となる有機野菜は、ご主人が経営する株式会社東研で扱っているため、社内のネット事業部のような形でのスタートであった。しかし、完全に一人だけで運営していたこともあり、ほとんど売上げが上がらない時期が続いた。「勉強会に出たり、いろんな人にあってお話を聞いたりしましたが全然売れませんでした。やること全部が中途半端で、売り上げに結びつかなったんです。」 運営のノウハウが不足していたため、何を試しても思ったような反応を得られなかったのだ。

 しかし、2005年8月、サイト制作を全て外注しリニューアルを行った頃から、運営は次第に軌道に乗り始める。それまでは更新作業などに追われてしまい、手が回らなかったことも多かったのだが、「自分の本来すべきことである、農家の方と会ってお話したり、野菜の情報をお伝えしたり、お客様とメール対応することなどに全力を注げるようになりました。」 ようやく自らがやるべきことに専念できる体制が整ったのだ。

コンテンツの外注を行う

 現在、同店が扱う商品は「野菜・果物が100種類ほど、調味料50種類ほど」と、同業他社と比較しても遜色ない品揃えだろう。販売の中心となるのは、季節ごとの旬の野菜を詰め合わせた 「旬の有機野菜 選りすぐりセット」「有機野菜と旬の果物のセット」 などのセット類となる。野菜などの販売では季節ごとの変動が大きく、どうしても売上げが安定しないことも多いのだが、「夏は夏の、冬は冬の野菜セットをお届けさせていただいておりますので、季節による売り上げの変動はそんなにありません。」 と、非常に上手く回っているようだ。

 サイトのリニューアルに際して、サイト上で公開している「レシピ」のコンテンツも外注した。制作はレシピサイトの 「キッチンひめ」 で、毎月、同店の有機野菜を使ったレシピの提供を受けている。「キッチンひめさんのレシピはお野菜中心。手に入りやすくておいしい旬の野菜を使ったおいしいお料理が紹介させていて、ずっと前から大好きなサイトでした。ホームページをリニューアルする際、レシピを作っていただけるよう思い切ってお願いしました。」 野菜の味を最大限に引き出してくれるレシピで、ユーザーからも好評を得ているという。

 しかし、コンテンツを外注するとなると、どうしてもコスト面が心配となるものだ。自分の力でも出来そうに見える部分だけに、決断はたやすいことでは無かったのではないだろうか。「確かにコストはかかります。しかし 『自分でできること』 と 『人にお願いしたほうがいいこと』 は分けて、私しかできない仕事、おいしい野菜をお届けすること、農家さんの声をお客様にお伝えすること、いい農家さんと出会うことに全力を使いたいと思っています。」 この割り切りが出来たことが、同店の売上げが上昇へ転じた最大の理由だろう。

 また、サイトに掲載されている野菜たちの画像も非常にクオリティーが高いが、これは全てご自身で撮影を行っているそうだ。「野菜って、本当にきれいなんですよ。トマトの実の表面の産毛、小松菜のきらきら輝く軸、大根の葉っぱのとげとげ、ナスのへたに生えるとげとか。野菜をさわっているといつも『きれい』って見とれてしまいます。芸術写真のような美しさではなく、そんな野菜の力強さやにおいなどをお伝えできるようになりたいのですが、難しいです。」 購入したデジタル一眼レフカメラはまだ使いこなせていないそうだが、大地で育った野菜たちの魅力が伝わってくる、力のある画像だと言えるだろう。

増加する有機栽培農家

「野菜セット」各種が人気

 普通に売られている野菜と比較して、やはり有機栽培の野菜は高価なものだ。“食の安全”に敏感な方が増えてきた今であっても、敢えてインターネットで有機野菜を買うという行為に抵抗を覚える方も多いだろう。しかし、有機野菜の市場は着実に成長を続けているのだ。

 主なユーザー層としては、「『アレルギー体質で農薬や化学肥料を使用しない野菜をお求めの方』、『採れたての新鮮な季節の野菜を召し上がりたい方』、『定期的に野菜を配達することで野菜をたくさん食べたい方』、このようにいろいろな理由で“食”に関心が高い方にお求めいただいております。」 最近では、ギフト用やゴルフコンペの景品などの用途で購入する方や、犬やウサギなどのペット用に購入する方も増えてきているという。実に様々なスタンスで有機野菜を利用するようになっているのだ。

 国内農業は、まるで衰退産業のような扱いを受けることも多いが、改めて “食の安全” が問われるようになり、より安全な有機野菜の栽培を手がける農家の数は着実に増えている。資料によると、まだ農家全体の 「0.2%」 に過ぎないのだが、「仕事柄、農薬や化学肥料を控えて栽培する農家の方とお話させていただくことが多いので、私の周りでは増えていると思います。大手スーパーさんでもお取り扱いいただくところが増えています。」

 安価な野菜が大量に輸入される中で、農家でもより付加価値の高い、高値で販売できる作物へシフトして行かざるを得ない。今後も有機栽培農家の数は確実に増えていくことになるだろう。

 実際に、すでに取り引きのある有機栽培農家のネットワークの中から、新たな農家の方を紹介してもらうことも多く、有機農業の研究会やセミナー、色々な勉強会などで知り合うことも増えているそうだ。また、最近では有機栽培農家の方から直接、取り扱いを依頼されることも増えてきていて、「お申し出いただいた農家さんには、なぜ有機農業なのか、有機農業を通して何をしようとしているのかなど、農業に対する姿勢を伺うのですが、皆さん本当に有機農業にいろんな思いや熱い情熱を抱いていらっしゃいます。」 新しい農業の担い手として、本当に熱心に取り組んでいる方が多いのだ。

 価格面ではとても輸入野菜などには太刀打ちできないが、「有機栽培野菜は、どこの誰がどういう風に作ったのかわからない一般の野菜と違い、生産者さんの顔が見えます。また、生産者の考え方や気持ち、何を使っていて、または使っていないのかがきちんと表示されていますから、安心してご購入いただけるのではないかと思います。」 このような価値観を持つ生活者は今後も増えていくはずだ。しかも、“安心” が得られるだけではなく、“美味しさ” でも満足できるレベルで、さらに “エコロジー” の観点からみてもメリットは大きく、今後もますます販路が拡大していくことは間違いない。

自然体の“おしゃれな八百屋”を目指して

野菜の“力強さ”が伝わる商品画像

 健康志向の高まりから、これからは新規参入も含めて競争が激化してくることが予想されるが、これからも同店のスタイルである、「強い言葉で、農薬はこんなに悪いんだからとか、化学肥料は環境を破壊するとか、ネガティブな部分を表に出して有機野菜をお勧めすることは、極力避けていきたいと思っています。」 この点は守っていきたいそうだ。こうした側面を強調すればするほど有機野菜を売りやすくなることは確かだろう。しかし、そこにだけ注目が集まってしまえば、商品の特性が正確に伝わっているとは言い難くなってしまう。

 また、自然食品の愛用者の中には、自ら口に入れるものに対して特に厳しい制限を課し、傍目からは厳格すぎる食生活を送っている方も多い。しかし、「自然食を扱っていらっしゃる方や、有機野菜をお求めになる方の中には、『動物性のたんぱく質は食べない』、『インスタント食品やファーストフードは食べない』 という方がいらっしゃいます。でも、私はあまり “食べてはいけないもの” にこだわりたくないのです。“こうでなければならない” ということをあまり前面に出したくないと思います。」

 ご本人も肉や魚やスイーツも好んで口にしているそうで、決してストイック過ぎるライフスタイルを提案したりすることはない。至ってシンプルなのだ。「お客さまには、気楽に手軽に有機野菜を食べていただきたい。『お肉大好き、ケーキも大好き。牛乳も飲んで、そして野菜もいっぱい食べる。』、そんな生活をご提案したいと思っています。ぶどうの木は “おしゃれな八百屋” を目指します。」

 しかし、“美味しさ” に関しては妥協することはない。生鮮品を扱っているため、新鮮なものを早く届けるのは当然のことだが、野菜セットもホームページで紹介している内容をそのまま届けるだけではなく、入荷の様子を見ながら、より美味しいものを届けるような変更も加えるのだそうだ。「野菜を料理するのは手間がかかります。少しだけ時間をかけて野菜を料理して、『このにんじんおいしいね』 こんな会話がある食事の時間が増えて家族の笑顔がいっぱいになってほしいと思います。」 これからもそうした姿勢を変えことなく、運営を続けていくという。

 「知恵を出して、そして自然にやさしい資材を使って、有機農業の技術を高め、安くておいしい有機野菜をもっとたくさんの方に食べていただきたいと思っています。食べてくださる方が増えれば有機栽培の農家さんも増えます。栽培面積も増えます。環境をきれいに保つことにつながります。」 有機野菜の販売に真剣に取り組む両親の姿を見て、ご子息も農業高校で有機農業を学ぶ道を選んだのだそうだ。その取り組みは、最も身近なところから根付いてきているようだ。

一覧へ


最近のエントリー

2007年 8月23日  誤ったイメージを払拭するために - 【KSP】白石浩一様
2007年 7月24日  卸業者がネット通販に取り組むために - 【エミュー】是木洋一様
2007年 6月12日  タイトル “ずっと変わらない”という安心感 - 【宮田織物】吉開ひとみ様
2007年 4月 6日  “ユニーク”だけで終わらないために - 【うちの個紋】寺本哲子様
2007年 3月15日  “使いやすいショップ”の現在形 - 【バイオリン楽譜.ネット】宮内雅史様
2007年 2月13日  「ドロップシッピング」でのショップ運営 - 【インドカレー工房】浮城隆様
2006年11月14日  ヒット商品を最大限に活かす - 【上海問屋】平田学様
2006年10月17日  “ブリーダー直送”を成功させるために - 【日優犬ふくおか】湯浅大介様
2006年 9月26日  リアルからネット、そしてその後に - 【エヌエス株式会社】赤尾江里子様
2006年 9月 8日  従来の仕事の枠に囚われずに - 【挨拶状ドットコム】徳丸博之様

【注目!のwebマスター】

「注目のWebマスター」は、これから主役に踊り出ようとしているEC店舗にフォーカスして、店舗繁盛のためのノウハウを取材してお届けするコーナーです。無料のメールマガジンの購読も可能です。 → メールマガジン「注目のWebマスター」登録はこちらから

連載:オーダーボックス・ドットコム(段ボール専門店)

関連リンク:「注目!」のwebマスターダンボール専門店 [オーダーボックス・ドットコム]オーダーチーズ・ドットコムオールドビンテージ・ドットコムオーダーアイス・ドットコム