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注目!のwebマスター2006年 5月29日 “お米離れ”の中で生き残るために - 【片山米店】片山岳彦様
「ネットでお米なんて売れないだろう」今回ご紹介するのは、“特別栽培米” という減農薬米の販売に特化して営業を行っている 【片山米店】 のWebマスター片山岳彦様だ。以前は完全に国家に統制された食品だったお米であるが、規制緩和されてからというもの、一転して激しい競争の時代に突入している。同店では、特別栽培米の品揃えの良さと、精米歩合を柔軟に変えられるという利便性を突破口として、安売りスーパーなどからの差別化を図っているのだ。 同店は、静岡市に実店舗を構える米販売店だ。Webへの取り組みは比較的早く、「1998年ごろからHP立ち上げを考え、1999年にオープンを予定していましたが、『お米なんて売れないだろう』 と思い、なかなか実行できずにいました。」 しかし、あるセミナーへ参加したことから、その考えは一転する。「その頃、東京でkasaya.comさん、てるくにでんきさん、イージーさんのセミナーがあり行ってみたところ、お米なんて売れない…という考え方が180度変わりました。ネット販売も実店舗と一緒で一人一人の接客が大切だと教えられました。」 Webショップの先達の熱意に触発され、当初の予定よりも1年遅れの2000年4月、サイト開設に漕ぎ着ける。 しかし、そう簡単に軌道に乗るものではない。オープンから1年間ほどは2〜3日に1件の注文がある程度で、売上げの伸びない時期が続いた。しかし、地域のネットショップオーナーのメーリングリストに参加し、様々なアドバイスを受けることで、少しずつ改善点を見出すことができた。「いろいろと自分なりに修正をして、2003年6月にトップページを今のページに改装してから売上も上がってきました。」 今では月平均300件の注文が寄せられるまでに成長してきているのだ。 お米の消費量減少の中でお米の流通は、長い間、国の管理の下に置かれていた歴史がある。「お米の販売は、1996年の食糧法施行までは、食糧管理法に守られた、ある意味 “国に保護された業界” でした。お米を販売するにも許可が要り、新規参入も厳しい業界だったのです。決められた(登録した)卸会社からしか仕入れ出来ず、販売も生産者直売は認められていませんでした。」 国内外から “過保護” という批判を浴びて、規制緩和された結果、「食糧法になり、売る自由、生産者直売も増えて、普通の農産物と変わりなくなっています。」 ようやく普通の食料品として競争に晒されるようになったのだ。 しかし、それ以前から、日本国内ではお米の消費量は年々減少を続けている。「1993年の冷夏による大凶作のお米騒動から急激に減りだしました。お米以外のパンや麺類などを食べるきっかけになってしまったとも考えられます。」 この傾向は生産者から小売業者まで、みな頭の痛いところだろう。また、戦後から続いている “食生活の欧米化” の流れは、簡単に止めることが出来るものではない。「小さいときから、給食のパンやハンバーガーで育った子供たちがどんどん増えていますので、やはり先行きは心配ですが、年配の方はやはり “ごはん” という方が多いです。日本人ならゆくゆくはごはんに戻ってきてくれるだろうと期待しています。」 しかし、小売店としても、いずれは “食育” にも取り組む必要性も感じているそうだ。 もちろん、苦しんでいるのは稲作農家も同様だ。「今までは国が農家に均等に出していた補助金を、今後は担い手(やる気のある生産者)さんに手厚く出すようになります。また今までの減反政策から『作りたければどうぞ』というスタンスに変わってきています。」 他の業界から見ればごく当然のことなのだが、農家ごとの裁量権が拡大し、よりビジネス感覚が必要となってきている。「やる気のある生産者さんはチャンスですが、大きくなれば機械も大きく設備投資しなければならないなどの問題もあります。また、減反せず作れば供給過剰となり、消費低迷とあいまって価格低迷にもなります。」 農家にとっても、先の見えない、これまで以上に厳しい時代となることは間違いないだろう。 “特別栽培米”の販売に特化する![]() 一般的には、お米のネット販売をするとなれば、ブランド米の “魚沼産コシヒカリ” などを扱った方が手早いような印象を受ける。実際に同店でも、品揃えの一環としての取り扱いはあるそうだ。しかし、「ブランド米はどこでも販売してます。普通の価格のお米もスーパーなどで乱売されており、苦戦しています。」 こうした現状であるからこそ、ブランド米で真っ向から勝負を挑んで、価格競争に陥るのを避けなくてはならない。「付加価値をつけたお米に特化することで、スーパーや普通のお米屋さんのお米と差別化されるように考えています。」 同店が販売しているのは、“特別栽培米” という種類のお米だ。これは、「その生産地での通常栽培における農薬・化学肥料使用量を5割減で生産されたお米です。」 と、食品の残留農薬が気になる方に好評を博している。 こうしたお米は、静岡県中部の9店舗の米屋で結成された 「ゆうき会」 という組織で、各産地からの共同仕入れを行っている。仕入れの面以外でも、「秋には秋田・山形から生産者さんに来ていただいての新米まつり、新潟への稲刈り体験ツアー(生産者宅民泊)なども行い、各産地の特産品なども販売しています。」 さらには、携帯メールを使って田んぼの情報を伝えてもらうなど、生産者と小売店が一体となった活動も進めている。 このような活動は、消費者の感想も伝わりやすくなるため、生産者側にとっても励みになる。「生産者さんも自分の作ったお米がどこでどのように売られているかわかりますので、今まで以上に真剣に米作りに取り組んでいただいています。そういった熱意、情熱もお客様にお届けしたいと思っています。」 小売業者が上手く間に入ることで、生産者と消費者の距離も確実に縮まっているのだ。 「五ツ星お米マイスター」のいるお店![]() 同氏は、現在全国に220名しかいない 「五ツ星お米マイスター」 の資格を持っている。「お米マイスターは、日本米穀小売商業組合連合会が2002年から始めた資格で、三ツ星とその上の五つ星があります。試験資格は米穀業に携わり5年以上で、三つ星は筆記試験のみ、五つ星は試験官との1対1の実技・技能試験を主体としています。」 まさにお米の “プロ中のプロ” なのだ。 現在、同店では28種類のお米を販売している。さらに、販売ごとに “無洗米加工” などのオプションが選べ、「1キロ単位で、『1キロは無洗米で、1キロは玄米のまま、1キロは白米で』、というようなお客様のお好みでお届けしています。」 こんな細かなオーダーも可能だ。精米したばかりのお米は、やはり店頭に並べられているものとは味わいも違い、「お米は生鮮品ですので、精米した時から酸化が始まります。精米後2週間ぐらいまでは食味はあまり変わりませんが、それ以降は、保管方法によっては、食味劣化も早くなっていきます。」 より美味しいお米を求めて同店を利用する顧客も多い。各お米を1kgずつのセットにした 「食べ比べセット」 なども販売されており、お米好きな方にとっては楽しい企画だろう。 また、「ごはんは “銀シャリ” という方がまだまだ多いですが、最近の健康ブームで、テレビ番組などから玄米食が注目されています。」 通常では手に入りにくい玄米つきのお米を求める方も増えてきている。同店では精米の歩合も選べるため、「精米歩合によって、玄米に近いほうから 『玄米』『3分つき』『5分つき』『7分つき』『白米』 となりますが、玄米に近いほどごはんの色は茶色っぽくなり、ちょっと食べづらくなります。」 同じお米であっても、実に様々なバリエーションが楽しめるようになっているのだ。 同店を利用する顧客の中には、“重いお米を買って帰るのが大変だ” という方も多いだろう。多少の送料を負担したとしても、ネットで注文すれば家まで配達してくれる、そこに魅力を感じている方も少なくないはずだ。しかし、この点は販売店側にとっても悩みの種となっている。「お米は、仕入れると30キロの米袋で届きます。重いので女性ではなかなか移動することが出来ませんし、年配の方も腰を痛めることが多く、人材確保が大変です。重くかさばるので、送料も安くしてくれません。」 現場には現場ならではの悩みがあるようだ。 ブログを地道に更新する効果同氏が書き続けているブログ 「米ブログ・こめこめ便り」 は、お米に関する話題から趣味の話題まで、しっかりとした内容で綴られている。産地を訪れた際の記録や、お店の前のプランターで育てている稲の生育状況など、決して売る気の強いコンテンツではない。しかし、だからこそ信頼感は増すものであり、「当店のお得意様にも見ていただいている方がいらっしゃって、『見たよ』といわれると励みにもなっています。ブログを見て当店納入を決めていただいたという東京の飲食店さんもありましたので、楽しみながらやっています。」 こんな効果もあった。 しかし、「実店舗の仕入れから、業務用の精米・配送などもやっているので、時間が取れなくて苦労しています。昼間や夜に合間を見て更新などしてきましたが、実店舗の業務で時間をとられてしまうので大変です。」 そんな状況が続いている。さらには、地域に根ざして営業しているお店であればこそ、PTA役員などの活動も無下に断るわけにもいかず、地域活動に時間を取られてしまうことも多いのだという。そんな中でブログの更新を続けるのも大変な労力となるのだが、「ネタに困る事もありますが、目に付いた事を携帯で撮ってブログへ送り、後でコメントを書くという形にしています。忙しいときはまとめて1週間分という場合もありますが。」 こうして続けてきているのだ。 そんな中でも、本店の他にYahoo!ショッピングと楽天市場にも出店をしてきたため、結局どれもが中途半端になってしまったという反省があった。この体制を整理して少し身軽になり、次はサイトのリニューアルに取りかかる。「アクセスアップのことも頭に置いて、トップページのブログ化と、CSSを基本としたページへと再構築中です。」 今回、初めてサイト制作業者へ依頼することにした。ショップが目指す “量を売るのではなく質を売っていくお店” というコンセプトを実現するために、まだ進歩し続けていくようだ。 最近のエントリー
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