EC事業者の交流によるEコマース業界全体の発展を目指す NPO法人 全国イーコマース協議会(EC協議会)

 ログインID  パスワードを保存 
 パスワード  ヘルプ

当会は全国のEコマース事業者が加盟する日本最大規模のネットショップ相互扶助団体です。

全国イーコマース協議会はTRUSTeプライバシー・プログラムのライセンシーです。

卸情報仲介サイト「卸問屋ジャパン」

日本全国の懸賞/プレゼント情報が満載!懸賞ジャパン

チーム・マイナス6%

エコショップ宣言

 

「ウィキペディアにも協議会WEBページに記載してある内容を掲載済み」

注目!のwebマスター

2006年 9月26日

リアルからネット、そしてその後に - 【エヌエス株式会社】赤尾江里子様

ネットの成功で業態を転換

【エヌエス株式会社】赤尾江里子様

 今回ご紹介するのは、トロフィー・優勝カップや記念品・腕章・旗などを販売する【エヌエス株式会社】のWebマスター赤尾江里子様だ。一般的には、どこで売られているのか想像しにくい商材ばかりを扱っているのだが、ネット通販ではそのことがメリットともなり、順調に売上げを伸ばしてきたショップだ。しかし今、大手も続々と参入してきており、“豊富な品揃え” や “価格” 以外でアピールできる点を模索している。その取り組みについて伺った。

 同社は赤尾様の祖父の代の1946年、カード立て・名札の製造卸業として創業された。その後、「2代目に当たる父がボウリングの全盛期にトロフィーの組立てをして、従来の顧客である文具店に卸販売し、記念品販売をスタートしました。文具店は会社や学校に出入りがあるので記念品・旗などの受注も多く、文具店への卸売りが弊社の販売ルートとなっていました。」 この頃、家業を説明するのに “トロフィー屋さん” という言葉を使っていたということで、非常に珍しい業種だったと言えるだろう。

【エヌエス株式会社】トップページ

 しかし、間もなく、格安の中国製文具が出回るようになったり、翌日配達のカタログ販売の出現などから、得意先の文房具店が次々と廃業するようになったため、売上げは落ち込んでいく。卸売り部門の落ち込みをカバーするため、1980年頃から実店舗での小売販売も開始。バブル景気とも相まって、「オフィス街にあるため、近隣の中小企業からのゴルフコンペの記念品や社章・社旗の注文も多く、下降気味の文具に代わって順調に売上を確保していました。」 商売は上手く回っていった。

 ところが、バブルの崩壊とともに、世間では派手なゴルフコンペを行うような余裕は無くなってしまい、そのあおりをまともに受けることになる。近隣企業からの注文は激減し、同社も廃業が検討されるまでに追い込まれた時期もあった。

 新たな販路を模索している時、パソコン教室でインターネットというものに出会った。「ネットでトロフィーを売ってみようと、2000年5月、手探りでサイトを立ち上げました。『ウチの商売はネットには向かないやろう』 という周りの反対を押しきって、昼間は卸・店頭の業務、夜中にメール対応やページ作成する日々でした。」 翌月には最初の注文が入り、「半年経った頃には、『大きな得意先が一社増えた感じやなー』 と認められるようになっていました。」 まずは順調なスタートを切ることができた。

 さらに、飛躍のきっかけとなったのが 『うりうり教習所』 のセミナーだった。「それまでは本やネットで学びながら自己流でやっていたのですが、2002年7月に大阪産業創造館のうりうり中級コース 『月商100万円を目指す』 というコースを受講しました。森本氏と出会った事が大きな機転となり、セミナーや講座で出会った講師・受講生から様々な事を学び、売上げを伸ばすことができました。」

 昨年には、従来のメインの販路だった卸部門から撤退、店頭とネットでの小売販売のみでの営業となっているが、同社の売上げは5年前の2倍に、ネットの売上げだけを見ても前年比150%という成長を続けている。また、「東京にもオフィスを開設しました。東京の企業からの受注が多いので、打ち合わせや商品を実際に見たいお客様に対応するためです。東京オフィス開設後、見積もりの成約率もアップしています。」 家族経営だった同社であるが、新たにスタッフを雇い入れるようになるなど、事業は好調に成長を続けている。

女性スタッフのきめ細やかな対応

【エヌエス株式会社】詳細ページ

 同社が扱う商品は、トロフィー・旗・腕章・記念品など、基本的に全てに名入れが必要な、オーダーメイドのものが多数を占める。通常の文字彫刻などのサービスであれば納期は1週間ほど、特注商品ともなると3週間もの製作日数が必要となる。当然、ユーザーとの綿密な打ち合わせが必要となるのだが、この回数をなるべく少なくするために、「あらかじめ、余分なやり取りをしなくて済むように必要な事項は全て聞くようにします。何も決まっていないのに取り合えずという方は、こちらから提案してあげたり、詳細が決まってからご連絡いただくようにしています。」 このような気遣いが必要となる。

 また、ネットショッピングに不慣れな方も多く、「ページの見方やカートの使い方がわからない方、ページを印刷したものを他の方からもらって電話してこられる方、中には 『メールもFAXもできないので、郵送でお手紙を送ります』 と言われる方もいらっしゃいます。」 そんなユーザーの不安を取り除くためにも、特に丁寧な対応を心がけているそうだ。同店のスタッフは、親族以外は全て女性のみとなっており、「女性ならではのきめ細やかさ、好感度、安心感のある対応をウリにしています。」 サイト上でも女性スタッフ一人一人が顔写真入りで紹介されており、とても柔らかい印象を受けるようになっている。

 さらに、同社の扱う商品の特徴として、「お使いになる日が決まっている方がほとんどで、問い合わせいただいてからやり取りが長くなると納期がなくなってしまうので、なるべく早い対応も心がけています。配送ミス、手配ミス、商品違いなどが起こって、その日に間に合わないと取り返しがつかないので、納期には大変気を遣います。」 常にカレンダーを睨みながらの作業となる。納品が一日ずれてしまえばもう必要とされなくなってしまうものだけに、「ミスが起きた時には、なぜこのミスが起こったのか。どういう処理をしたのか。改善点は? 常にスタッフで話し合って二度と同じ間違いをしないようにしています。」 この点には特に気をつけているのだそうだ。

業界の慣習に囚われない

トロフィー

 同社が販売する商品とは、インターネットが普及する以前であれば、どこで販売されているのか全く思い浮かばないようなものばかりだ。今となってはインターネット以前のことはなかなか実感が湧かないのだが、「先代は営業活動を全くしない人で、完全に待ちの商売でした。」 人と人とのローカルなネットワークがあれば営業は成り立っていた時代もあったのだ。

 しかし、“どこで売っているのか想像できない” というものは、ネット通販にとって格好の商材となる。「大会や式典があって必要に迫られてから、どこで売っているのかわからないためネットで検索した結果、弊社で購入されています。」 同社への注文にも、そのような方が多いのだそうだ。

 また、多くの商材が、名入れサービスなどを行う半オーダーメイドのものとなる。「一部の商品を除き、受注発注となっている為、不良在庫を抱える心配が無いのは大きなメリットです。卸の時代から長い付き合いなのでほとんどのメーカーが既製品は発注翌日には配達に来てくれますし、急ぎの場合は当日に持ってきてくれる事もたびたびです。」 これもネット通販にとっては大きなメリットと言えるだろう。しかし、そのような利点がありながらも、当初は全くそうした意識は無く、「勉強会等で他業種の方と知り合うようになって、初めて気付きました。」 という程度であったそうだ。

 その業界の内部では当然のような商慣習であっても、他から見れば特殊に見えることも多いものだ。同社の商品ラインナップを見てみると、非常に雑多な印象を受けてしまうのだが、「トロフィー屋は、どこも旗・腕章・記念品を扱っています。」 これは業界内部ではごく普通のことなのだそうだ。確かに関連性が無いという訳ではないのだが、これらが全て同じ売場に並んでいることに違和感を感じる方も多いことだろう。

 こうしたイメージを払拭するため、これまでは全て同じドメインの下で展開していた商材を全て別ドメインで運営し、相互にリンクを張る形へと変更した。「業界では当たり前のことでも、お客様にとってはそうではありません。そんなわかりにくさを解消するため、どこに何があるのかをわかりやすくしました。」 もちろん、これによってSEO的にも有利となるなどの効果もあるはずだ。

価格競争を避けるためには

 同社のショップ運営は順風満帆にも見えるが、今、大きな転換期を迎えている。「今までは “商品数勝負” で商品をどんどんアップしてきましたが、ここ2年ほどで同業社のサイト数が急増しました。特に記念品は、資本力のある会社が立派なシステムの入ったサイトを作っていますし、うちの仕入れ値のような値段で販売されているのでとても太刀打ちできません。」 他社の商材を仕入れて販売する小売店であれば、メーカーや問屋、大手資本との価格競争になってしまえば勝ち目は薄くなる。これまでは右肩上がりに成長を続けてきたEコマースであるが、すでに淘汰の時代に入ってきているのだ。

 この淘汰の波を生き延びるためには、価格競争から距離を置いて独自のスタンスを確立するか、大手の参入よりも前に後発組の追随を許さないような大きなシェアを獲得しておくか、そのいずれかしか無いだろう。

 同社では取扱商品の見直しに着手している。「同じ商品を同じように並べていても仕方ないので、今後は自分達が本当に売りたいモノ、お客様に自信を持って勧められるモノに絞込んでいきます。ただ商品を売るだけでなく、提案やアドバイスなどの対応で 『エヌエスさんでなきゃ』 と言ってもらえるよう、これからもお客様の立場に立った対応をスタッフと共に常に考え、改善し続けていきたいと思っています。」 これまで以上に、店頭販売と同様に “人を感じさせるページ” として、きめ細やかなサービスを提供していくのだという。

 同社ではさらに、鏡開きセットなどを販売する 【祝い酒.com】 というショップも、別会社を使ってオープンさせた。「こちらではオリジナルデザインのワインや菰樽を販売し、従来のお客様に新たな記念品の選択肢の一つとしてお勧めしたいと思っています。また、弊社の近く、大阪天満宮の裏門に 『天満天神繁昌亭』 がオープンしました。大阪に60年ぶりに定席の寄席が復活するとあって盛り上がっているのですが、その 『天満天神繁昌亭』 のおみやげも当店オリジナルデザインで販売しています。」 “繁昌亭” というおめでたいネーミングから、様々な贈答に利用されることを期待しているそうだ。

 インターネットを活用して復活を遂げた同社であるが、また新たな競争の波にさらされている。これをどのようにして乗り切っていくのか、注目して見守りたい。

一覧へ


最近のエントリー

2007年 8月23日  誤ったイメージを払拭するために - 【KSP】白石浩一様
2007年 7月24日  卸業者がネット通販に取り組むために - 【エミュー】是木洋一様
2007年 6月12日  タイトル “ずっと変わらない”という安心感 - 【宮田織物】吉開ひとみ様
2007年 4月 6日  “ユニーク”だけで終わらないために - 【うちの個紋】寺本哲子様
2007年 3月15日  “使いやすいショップ”の現在形 - 【バイオリン楽譜.ネット】宮内雅史様
2007年 2月13日  「ドロップシッピング」でのショップ運営 - 【インドカレー工房】浮城隆様
2006年11月14日  ヒット商品を最大限に活かす - 【上海問屋】平田学様
2006年10月17日  “ブリーダー直送”を成功させるために - 【日優犬ふくおか】湯浅大介様
2006年 9月26日  リアルからネット、そしてその後に - 【エヌエス株式会社】赤尾江里子様
2006年 9月 8日  従来の仕事の枠に囚われずに - 【挨拶状ドットコム】徳丸博之様

【注目!のwebマスター】

「注目のWebマスター」は、これから主役に踊り出ようとしているEC店舗にフォーカスして、店舗繁盛のためのノウハウを取材してお届けするコーナーです。無料のメールマガジンの購読も可能です。 → メールマガジン「注目のWebマスター」登録はこちらから

連載:オーダーボックス・ドットコム(段ボール専門店)

関連リンク:「注目!」のwebマスターダンボール専門店 [オーダーボックス・ドットコム]オーダーチーズ・ドットコムオールドビンテージ・ドットコムオーダーアイス・ドットコム